監督交代劇から、その後の秋田戦での敗戦について思うこと

「J3優勝」の目標を掲げてスタートした今年のカターレ富山。
澤入GM、岸野監督を迎えて体制を一新してシーズンをスタートしました。

なかでも強い個性を持つ岸野監督の就任は、サポーターから見ても「方向性が解りやすい」、期待と希望を膨らませる充分な要素となっていたと思います。

岸野監督が発信していた「カターレ富山が目指すサッカー」

春のキャンプ、そして草島での厳しいトレーニングは、選手個々の技術やフィジカルの成長以上に「他のどのチームよりも厳しい練習をしている」というメッセージとなって「サポーターがカターレ富山を応援したくなる理由」を作っていたと思います。

岸野監督の「根性サッカー」がそのままカターレ富山の「色」となっており、好き嫌いはともかくサッカーへの取り組み方は明快でした。

それを象徴する一枚の写真があります。

20151008

6月の草島練習場の写真ですが、選手が走りこみを続けていたことが伺えます。夏場のアウェー戦でも、試合終盤まで走り負けせず勝点を奪った試合が何度もありました。

残念ながら岸野監督は「結果責任」により退任することとなりましたが、「J3優勝」という目標とチームの選手編成とのギャップのなかで、選手個々の成長をどれだけ早められるかという「時間との戦い」に苦心していたように思えます。結果は残せませんでしたが、目標に対しての分かりやすい取り組み方は練習を見学するサポーターにも伝わったと思います。

岸野監督の指導は、医学で言うところの「リハビリ専門医」のような、辛い歩行訓練を日々繰り返し、自力で歩けるところまで持っていく。という印象でした。

 

監督交代後の練習を見て感じたこと

天皇杯予選での敗戦という結果を受け、岸野監督に代わり澤入GMが監督代行として指揮をとることになりました。

澤入監督の練習は岸野監督とは異なり、例えるなら「針治療」を施しているような感じに見えました。
試合で想定される各場面に対してピンポイントで選手のポジショニングなどを具体的に指示し、それが上手くハマることで成功体験を積み上げる。それによって選手に自信を植え付けチーム全体の成長を促すように持っていく。まさにツボに針を次々に打っていくような指導イメージです。

短期間で結果を求められる時期でもあったので、この指導方法については理解できます。

そして準備期間の短さにも関わらず、澤入監督は苔口、朝日を効果的に使うことで結果を出しました。とりわけアウェーでの山口戦の勝利は、まるで魔法を使ったかのような見事な勝利でした。

 

「針治療」に例えられる指導方法の限界。針を打つところが無くなった今どう対処するか。

秋田に喫した敗北は、チームが抱える様々な問題をさらけだしました。

主力選手のケガによる付け焼刃のような選手起用。
選手から感じられなかった、岸野監督が植え付けようとしていた「走り勝つ」という気持ち。一番残念だったのは、勝つしかない状況にも関わらず、「サッカーへの情熱」が伝わってこなかったこと…。

次はどこに針を打つのか。澤入監督に次のビジョンが見えているのかどうかを知る術はありません。が、新たなことに取り組もうにも準備時間は残されておらず、難しい舵取りとなることは容易に想像できます。

J2昇格の可能性が潰えた今、残り6試合をどう有意義に使うかが求められています。

 

大事なことは「カターレ富山が目指すサッカー」をもう一度サポーターに示すこと

草島練習場で最近撮影した写真です。芝がまた生え始め、走りこみを止めていることが伺えます。

20151008-01

※走りこみを練習メニューから外すことは、監督・コーチ陣が判断することであり、それが間違っているわけではありません。安間監督が就任していた頃は、ボールを使わない練習を一切排除したメニューを組んでいました。

岸野監督は結果を出せませんでしたが「カターレ富山の目指すサッカー」を、常にサポーターへ発信していたと思います。
なにより、岸野監督のサッカーへの「情熱」がサポーターを惹きつけるエネルギーになっていたと感じます。

来年へ向けてサポーターの心を繋ぎとめるためにも、いま求められているのはカターレ富山の目指すサッカーをもう一度サポーターへ示すことだと思います。